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Brief2 「花」:まずはお花を買いに
「女の記号」というのは、何を指しているのか、ちょっとわかりにくいかもしれません。表情や仕草なら、「女らしい振る舞い」と言えばいいわけですし、服やメークだったら、「女らしいファッション」とでも言えばいいわけです。
私が「女の記号」と言っているのは、もちろん、それらも含むのですが、見る人に与える「女としてのアピール」全体に関わる個々の要素です。
たとえば、わかりやすい話をすれば、「花」。
ふだん花屋になど行ったことはないでしょうが、ためしに、花を一・二輪買ってきてください。できれば、赤や黄色の大振りの花がいいでしょう。
それを両手で持って、鏡の前に立ちます。ぎゅっと握ったりせず、両手を上下にして、指先でつまみ、いくぶん花を傾けるようにします。で、その花が傾いたのと同じ方向に、自分の首もかしげてください。その上でにっこりとやさしく微笑むのです。
恥ずかしがらずにやってみてください。
女物を着ているわけでもメークしているわけでもないのに、きっと、それだけでかなり女っぽい印象になるはずです。
「花」というのは、見る側にとっては、明らかに「女の記号」です。
まあ、なにかの授賞式とかで、男が花束をもらうことはないわけではありませんが、ふつう、男は、一輪の花を持ってにっこり笑うなどということはしないものです。ところが、なにかのポスターとかグラビアとかで、そんなふうにしている女性はよく見かけます。「花一輪」というのには、見る側に、すでにそんな先入観があるのです。
人は、人やモノを見た瞬間、いわば無意識のうちに、それが何者であるのか、何であるかを知ろうとします。それが人間の習性です。(きっと、人類がサバンナで暮らしていた頃、まずはそうすることが、肉食獣から身を守るすべだったからでしょう。)
で、その「何者であるか知る」というのはどういうことかというと、つまり、自分のこれまでの経験に照らし合わせて、なんらかのカテゴリーにはめるということです。
いわば、その手がかりとなるのが「記号」です。
そういう意味で、花は「女の記号」なのです。
見る側がなんらかの先入観を持っていてくれるわけだから、それを利用しない手はない。その手がかりである「記号」をこちら側から積極的に提供することで、相手の判断を、そちらに導いてやればいいわけです。
つまり、「記号」というのは、漠然と「らしく」というのではなく、見る側の心理条件をも含んだ概念です。
女装して、自分を女に見せたいというなら、ただ自己満足的に「女らしさ」をめざすのではなく、見る側の立場に立ってそんな女の記号を考えてみることが、なにより必要だと思うのです。それは、服やメークにしても、表情や仕草にしてもそうです。
というわけで、まずはお花屋さんへ、GO!!
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